はじめに:IT担当がいない会社は珍しくない
「社内にITに詳しい人がいない」
「パソコンやネットのトラブルは、いつも社長か事務員が対応」
「業務効率化したいけど、誰がツールを選ぶの?」
こうした悩みは、中小企業や小規模事業者では非常に一般的です。
IT担当がいないことで、業務改善やDXが進まない…そんな現場の声に、筆者は何度も向き合ってきました。
この記事では、IT担当不在による課題と、現実的な対策方法をわかりやすく解説します。
💭 IT担当がいないことで起きる悩み
1. トラブル対応が属人化
- ネットがつながらない、プリンターが動かない…誰かが“なんとなく”対応
- 担当が決まっていないため、対応が遅れがち
2. ツール選定が進まない
- 「何を使えばいいか分からない」「導入しても使いこなせない」
- 結果的に、紙やExcelに頼り続ける
3. 情報管理・セキュリティが不安
- パスワード管理がバラバラ、ファイル共有が雑
- 顧客情報の漏洩リスクが高まる
4. IT導入が“社長の孤独な戦い”になる
- 社長が一人で調べて、導入して、社員に説明して…疲弊する
出典:中小企業庁「IT導入に関する実態調査(2022年)」では、IT人材不足が中小企業のDX推進の大きな障壁であると報告されています。
対策①:社内で“IT推進役”を立てる
- ITの専門家でなくてもOK。「ツールを試してみる係」「社内の質問窓口」など、役割を明確にするだけで動きが変わります。
- 若手社員やデジタルに抵抗のない人を任命するのが効果的。
ポイント
- 役割を「兼任」でもいいので明文化する
- 社長が“全部やる”から“任せる”へシフトする
対策②:外部のIT支援サービスを活用する
- IT顧問・ITコンサル・導入支援事業者など、“伴走型”の外部支援を活用することで、社内の負担を減らせます。
- ツール選定・導入・運用までサポートしてくれるサービスも多数。
おすすめ活用シーン
- 会計ソフトや業務管理ツールの導入時
- WebサイトやSNSの立ち上げ時
- セキュリティ対策や情報整理の相談
対策③:業務の“IT化優先度”を整理する
- すべてを一気にIT化する必要はありません。まずは「時間がかかっている業務」「ミスが多い業務」から着手。
- 業務棚卸をして、IT化の優先順位をつけることで、無理なく進められます。
例
業務 | 現状の課題 | IT化の方向性 |
---|---|---|
請求書発行 | 手書き・Excelでミスが多い | クラウド会計ソフトで自動化 |
勤怠管理 | 紙のタイムカード | 勤怠アプリでスマホ打刻 |
顧客管理 | Excelで情報が分散 | CRMツールで一元管理 |
まとめ:IT担当がいなくても“仕組み”で乗り切れる
IT担当がいないことは、決して珍しいことではありません。
大切なのは、**「誰がやるか」ではなく「どう仕組み化するか」**です。
- 社内で役割を明確にする
- 外部支援を活用する
- 業務の優先度を整理する
この3つを意識することで、IT導入は“社長の孤独な戦い”ではなく、会社全体で進めるプロジェクトになります。